神田村のご案内


書店の皆様、東京・神田に70年近い歴史のある本の専門取次があることを、ご存知ですか。その取次群は昔から”神田村“という愛称で呼ばれています。

昨年、神田取次(神田村)取扱出版社一覧表が刊行されました。2000年に刊行して以来、10年ぶりの刊行です。その内容は、千代田区神田神保町周辺にある専門取次22社(一部移転)が取引をしている出版社の名前、出版社ごとの在庫有り無し等が取次の所在地図と一緒に載っています。大手取次の取扱出版社一覧表は、2,000社程度の出版社しか載っていないのに対し、神田取次のものは、4,500社ほど載っています。どこの取次が、どの出版社さんと取引をしているかがわかります。たとえば、小学館、集英社なら○○、医学書なら○○といったように。

昨今の大手取次の効率経営、総量規制により、新刊の入荷が上手くいかず、困っている中小書店さんが多いと聞いています。以前読みました日書連の報告書『書店経営者生の声』にも出ていましたが、「ほしい本が手に入らない」「売上げが回復しない」という書店さんの声は、当時よりますます大きくなっているのではないでしょうか。

しかし、神田村に仕入にいらしている書店さんは違います。

その理由は、欲しい新刊が手に入る、客注が早い、売れ筋の補充も早くできるなど、小回りの利く、神田村の機動力をフルに使っているからです。毎日来店される比較的直近の書店さんの他、週に23回しか来られない近県の書店さんや遠くて来店できない九州、関西、北陸の書店さんからは、FAXにて毎日のように注文がきており、神田村の各取次から荷物を送っています。注文した翌日(九州地区は翌々日)には客注、売れ筋商品の補充等がお店に入荷しています。

 神田村取次は、大手取次に取って代わろうなどとは思っていません。大手取次ではできない細かい対応をする補助的な役割を担いたいのです。ぜひ、神田村を使ってみては如何でしょうか。それにより、「ほしい本が手に入らない」「売上げが回復しない」とお困りの神田村を知らない地方の書店さん、知っていても神田村を使わない書店さんが元気になり、書店業界のお役に立てればと思っております。

 自分の家の近くの書店に行き小遣いで本を買う習慣が、小さな読者が育つ条件です。本を好きになるかどうかは、子供の頃の本を読む習慣が大きく影響していると思います。中小書店さんが減少することは、小さな読者が育たない環境が増大し、読書離れ、活字離れ、活字文化の衰退に繋がっていくと危惧しています。

書店さんが活気付けば、廃業が減り、出版業界全体も元気になります。

 

  欲しい新刊が希望通り入荷しない。

  客注を注文してもなかなか入荷しない。

  コミックその他、補充の売れ筋商品が入荷しない。

等、お困りの書店さん!

 

 そんな時、小回りの利き、機動力があり、サービスのいい神田村の取次を補完的に使ってみては如何でしょうか。