神田村こう使っている

神田村の取次さんには「配本ランク」という「拘束」がないため、非常に気持ちのよい商売ができます。
それぞれ得意な版元に特化しているためか、商品力が桁違いに強く、商売のパートナーとして非常に心強いです。
当店は大手取次と取引をしていますが、たとえばある大手出版社の文庫の入荷数は、非特約店の
場合、数冊程度。タイトルによっては1冊も割当がありません。
配本ランクに影響されず、こちらの希望数にほぼ満数で応えてくれる神田村の取次さんとの商売は、誇張ではなく本当に「魔法」です。
実際、神田村の取次さんと取引を始めて、発売日にD文庫が全点山積みになった平台を初めて見ることができました。今までお断りしていたR文庫全点予約もまったく怖くなくなりました。
ライトノベルズのお客さんは発売日に目当ての商品が手に入るお店に信頼を強く寄せます。彼らは発売日の午前中から来店して新刊をまとめてレジに持ってきます。ある意味、惚れ惚れとする買いっぷりです。
我々書店に勤務する者にとって、「発売日に本が入荷するのか」というのは、精神的なストレスをもたらす問題です。しかしこの版元の文庫に限ってはその悩みが一切消えたのです。今までは5日・10日・25日は憂鬱でした。お客様に未入荷の言い訳をしなければならない日々でしたから。今や、これらの日はまさに「カキイレドキ」で、1ヶ月の売上を支える日となりました。
当店もおかげさまでこの出版社の特約店に加入することができました。特約店に加入して配本ランクもあがり、潤沢に新刊が入荷するようになりましたが、神田村の取次さんとの取引量は減っていません。むしろ発売日に商品がある信頼感から客数が増えたため、配本ランクの割当以上の需要が増えたこと、またそれ以外の取引商材の需要が増えたため、さらに神田村の取次さんとのお付き合いは深くなっています。
「商品力」と「人情」。小売業として理想的で気持ちのいい商売ができます。本当です。